美容師がお客様との関わりの中で感じた大切なことを絵本になりました。
働きながら子育てをするすべてのお父さん、お母さん。毎日お仕事お疲れ様です。
あなたはお子さんに、自分の仕事のことをどんなふうに、どのくらい自分の言葉で伝えていますか?
「言わなくてもわかるだろう」、気がつけば「疲れた」しか言っていない。
そんなことはありませんか?
子どもたちは、毎日あなたたちの背中をしっかり見て、感じて、考えています。
だから、面倒くさがらずに、ちゃんと伝えてみませんか?言葉で、態度で。
親がその在り方を変えるだけで、子どもも変わる。子どもの未来も夢も変わる。
そんな体験をした私から、みなさんへお届けしたいものがありました。
そこで2020年6月4日よりクラウドファンティングより数多くのご支援をいただきまして、『3×9=21』を無事に絵本にすることができました。
著者ご挨拶
私自身の在り方を変えてくれた、
ある小さなお客様との会話を絵本にして多くの人に伝えていきたい
はじめまして大野博繁です。ページをご覧いただきありがとうございます。美容師として働き始めて、30年。美容サロンの経営者となり24年が経つ、40歳代半ばの3児の父親でもあります。
著者ご挨拶
私自身の在り方を変えてくれた、ある小さなお客様との会話を絵本にして多くの人に伝えていきたい
はじめまして大野博繁です。ページをご覧いただきありがとうございます。美容師として働き始めて、30年。美容サロンの経営者となり24年が経つ、40歳代半ばの3児の父親でもあります。
仕事柄たくさんの方と接することもあり、性別・年齢を問わず多くのお客様から、髪の毛に関する悩みだけではなく、時には私生活のお話までさまざまな想いを伺ってきました。
そんな日々の中、小さなころからお店に通ってきてくれているお子さんとの、とある会話が、その後の私の父親としての在り方や子どもたちへのかかわり方の姿勢を大きく変えてくれました。
そのエピソードを話したところ、同業者、友人たちや同世代の子育て中のお父さん、お母さん方から、
「このエピソードは、きっと多くのご家庭で、お子さんと親御さんの関係を築くきっかけになると思う」
「たくさんの人にこの話しを伝えてほしい」
など、多くの共感の声を頂いたのです。
もっと、より多くの方にお伝えし、笑顔の輪が広がるようにしたい。そう考え、今回このエピソードを絵本にして出版するというアイディアにたどり着きました。
親の背中を見て子は育つ。だから、伝えたいことをきちんと伝えよう。それはきっと、子どもの中に大きく育つ種になるから
私を変えた、小さなお客様の話しをさせてください。
そのお客様は、ご家族全員で、当サロンをご利用くださっていたご家族のお嬢さんです。お父様は、大手企業に勤務する会社員。お母様は医療関係のお仕事に従事され、日々多忙な共働きのご家庭です。ふたつ年下の弟と、いつも学童保育の帰り道にサロンに寄ってくれるので、ほぼ毎日お店で顔を合わせて、交流を重ねていました。
年を重ねる中、多感な年齢にさしかかった彼女からは親御さんの話しが多く出るようになりました。
彼女が小学4年生の時のこと。
「お父さんは、仕事から帰るといつも『疲れた、疲れた』ばかり言っているけれど、お母さんは、介護のお仕事をしていて『今日はおばあちゃんが笑ってくれたのよ』とか『喜んでくれて嬉しかった』とか、嬉しそうに話してくれるんだよね」
と、私に話しをしてくれたことがありました。
そして、その後、中学生ぐらいになったころには、「お母さんのように人を幸せにしたり、笑顔にしたりするような仕事に就きたいな」と話すようになっていました。
私は、ご両親どちらの仕事も知っていて、お父様が家族の将来を想って、一生懸命働かれていたというのも知っています。また自分自身も3人の子どもの父親でもあるので、お父様が「疲れた」としか言わないことで、その仕事の内容などがお子さんに伝わっていないことに歯がゆいというかなんとも言えない複雑な思いを抱いていました。
と同時に、感じたのは、子どもたちは親の背中をよく見ていて、「伝えたい」と親が思ったこと以上に、親たちの言葉や態度からいろいろなものを感じている、ということでした。
このエピソードから、では自分は子どもたちにどんな背中を見せているのだろう、自分の仕事を子どもたちはどんな風に思っているのだろう、と、ふと自分自身の在り方を振り返ったのです。
当時の私です。
そして、それ以降は仕事でどんなに疲れている時でも、仕事についてのネガティブな話を子どもの前でしないよう意識するようになりました。美容師の仕事は、休みは少なくハードワークだけれど、たくさんの出会いもあり楽しいということを主として伝えるようにしたのです。
子どもたちを美容師にしたい、と思っていたわけではありません。むしろ、私と違って勉強ができる娘には、大学に進学し、将来を考えてほしい、とさえ思っていました。
ところが、時が流れ、娘が高校2年生になった時のこと。進路相談で学校を訪れた際、担任の先生から、娘が美容関係の専門学校への進学を希望していると聞いたのです。娘の成績は道内の大学への進学を十分に考えられるもので、本人も私には大学に進学するそぶりを見せていたのでこれはとても驚きでした。
帰宅後、娘に確認すると、いままで話していなかったけれど、美容師になりたいと思っている、と返事が返ってきました。
なぜ美容師になりたいと思ったのか、と問うと、娘は「今までお父さんからもお母さんからも仕事の愚痴は聞いたことがないし、いつもとても楽しそうだったから。それに、いままで何不自由なく育ててきてもらったから、しっかりお金も稼ぐことができて、楽しいいい仕事なんだろうな、と思ったの」
と、答えてくれたのです。
娘が私の仕事をそんな風に思っていてくれたことを知り、私はうれしく、誇らしく思いました。そして、娘が「自分もやってみたい!」と思えるように、私が自分の仕事を伝えることができたのは、あの日のあの会話があったからだ、と小さなお客様への感謝の気持ちでいっぱいになったのです。
家庭というのはある種閉じられた環境なので、小さなうちはほかの家庭と自分の家庭を比べることなどできません。子どもは、親から与えられるもの、言葉、環境の中で育ちます。もっと言えば、親から与えられた環境や言葉によって、子どもの育ちは大きく変わる、ということです。
親が変われば子も変わる。親の在り方や言葉が種になり、子どもの中で育まれ、いつか夢という花が咲く。
娘と。
私が、お店での会話を通して気付いたこのことに、もっと多くの親御さんたちにも気がついてほしい。子どもさんにも、親の仕事のことや将来の夢について考えたり気がついたりするきっかけをもってほしい。それには、親が子どもに読み聞かせをする絵本という形が最適ではないか、そんな想いからこのプロジェクトを立ち上げています。この絵本は、これから親子でつくっていく未来の種、でもあるのです。
親の背中を見て子は育つ。だから、伝えたいことをきちんと伝えよう。それはきっと、子どもの中に大きく育つ種になるから
私を変えた、小さなお客様の話しをさせてください。
そのお客様は、ご家族全員で、当サロンをご利用くださっていたご家族のお嬢さんです。お父様は、大手企業に勤務する会社員。お母様は医療関係のお仕事に従事され、日々多忙な共働きのご家庭です。ふたつ年下の弟と、いつも学童保育の帰り道にサロンに寄ってくれるので、ほぼ毎日お店で顔を合わせて、交流を重ねていました。
年を重ねる中、多感な年齢にさしかかった彼女からは親御さんの話しが多く出るようになりました。
彼女が小学4年生の時のこと。
「お父さんは、仕事から帰るといつも『疲れた、疲れた』ばかり言っているけれど、お母さんは、介護のお仕事をしていて『今日はおばあちゃんが笑ってくれたのよ』とか『喜んでくれて嬉しかった』とか、嬉しそうに話してくれるんだよね」
と、私に話しをしてくれたことがありました。
そして、その後、中学生ぐらいになったころには、「お母さんのように人を幸せにしたり、笑顔にしたりするような仕事に就きたいな」と話すようになっていました。
私は、ご両親どちらの仕事も知っていて、お父様が家族の将来を想って、一生懸命働かれていたというのも知っています。また自分自身も3人の子どもの父親でもあるので、お父様が「疲れた」としか言わないことで、その仕事の内容などがお子さんに伝わっていないことに歯がゆいというかなんとも言えない複雑な思いを抱いていました。
と同時に、感じたのは、子どもたちは親の背中をよく見ていて、「伝えたい」と親が思ったこと以上に、親たちの言葉や態度からいろいろなものを感じている、ということでした。
このエピソードから、では自分は子どもたちにどんな背中を見せているのだろう、自分の仕事を子どもたちはどんな風に思っているのだろう、と、ふと自分自身の在り方を振り返ったのです。
当時の私です。
そして、それ以降は仕事でどんなに疲れている時でも、仕事についてのネガティブな話を子どもの前でしないよう意識するようになりました。美容師の仕事は、休みは少なくハードワークだけれど、たくさんの出会いもあり楽しいということを主として伝えるようにしたのです。
子どもたちを美容師にしたい、と思っていたわけではありません。むしろ、私と違って勉強ができる娘には、大学に進学し、将来を考えてほしい、とさえ思っていました。
ところが、時が流れ、娘が高校2年生になった時のこと。進路相談で学校を訪れた際、担任の先生から、娘が美容関係の専門学校への進学を希望していると聞いたのです。娘の成績は道内の大学への進学を十分に考えられるもので、本人も私には大学に進学するそぶりを見せていたのでこれはとても驚きでした。
帰宅後、娘に確認すると、いままで話していなかったけれど、美容師になりたいと思っている、と返事が返ってきました。
なぜ美容師になりたいと思ったのか、と問うと、娘は「今までお父さんからもお母さんからも仕事の愚痴は聞いたことがないし、いつもとても楽しそうだったから。それに、いままで何不自由なく育ててきてもらったから、しっかりお金も稼ぐことができて、楽しいいい仕事なんだろうな、と思ったの」
と、答えてくれたのです。
娘が私の仕事をそんな風に思っていてくれたことを知り、私はうれしく、誇らしく思いました。そして、娘が「自分もやってみたい!」と思えるように、私が自分の仕事を伝えることができたのは、あの日のあの会話があったからだ、と小さなお客様への感謝の気持ちでいっぱいになったのです。
家庭というのはある種閉じられた環境なので、小さなうちはほかの家庭と自分の家庭を比べることなどできません。子どもは、親から与えられるもの、言葉、環境の中で育ちます。もっと言えば、親から与えられた環境や言葉によって、子どもの育ちは大きく変わる、ということです。
親が変われば子も変わる。親の在り方や言葉が種になり、子どもの中で育まれ、いつか夢という花が咲く。
娘と。
私が、お店での会話を通して気付いたこのことに、もっと多くの親御さんたちにも気がついてほしい。子どもさんにも、親の仕事のことや将来の夢について考えたり気がついたりするきっかけをもってほしい。それには、親が子どもに読み聞かせをする絵本という形が最適ではないか、そんな想いからこのプロジェクトを立ち上げています。この絵本は、これから親子でつくっていく未来の種、でもあるのです。